出生男女比の偏り

「40人の女性のX染色体を調べたところ、それぞれの染色体が独自の遺伝子発現パターンを持っていた。こうした変化は完全に女性独特のものだ。この点に関して、男性のX染色体はすべて同じ発現パターンを持っている」とウィラード所長は説明する。

https://wired.jp/2005/03/23/%E8%A7%A3%E6%98%8E%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8Bx%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86/

 

 

韓国

80~90年代にあった「男児至上主義」の負の遺産

 現在20代~30代の女性が生まれた1980年代~90年代の人口統計を見るとその異様さが窺える。人口学的には、女児100人に対し、105~107の男児が生まれるのが、自然性比であるのに、1980年代中盤から男児の出生数が急激に伸び始めるのだ。1990年の出生時の性比は、男児116.5となっており、地方都市に限れば、慶尚北道で130.7、大邱で129.7と異常な数値。ちなみに第3子以降の出生性比は男児が193.7まで跳ね上がる。

 

韓国・国立中央医療院の崔アンナセンター長は、「当時の韓国社会では男児至上思想がはびこっていた。更に超音波検診の導入により、妊娠早期での性判別が可能となり、(夫婦、家族の意思による)女児に対する堕胎が実施された」と言う。

 

この当時の女児選別堕胎が、現在の超低出産の引鉄となった。韓国で一番出産率の高い30歳、1988年生まれの人口統計を見ると、1982年85万人の出生数に対し、1988年は63万人と激減。たかが6年の間に20万人も出生数が減ったことになる。

 

中国

男児を好んで産む傾向がある中国では、女児より男児のほうが3200万人多く男女不均衡が今後数十年間続くことが予測されるとの調査報告が、10日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)」電子版に掲載された。

 

インド

直近の国勢調査によると、同国の男女比は男性1000人に対し女性は940人にしか満たない。胎児の性別による中絶は違法だが、この男女比の差は違法中絶も一因とされている。

 

ベトナム

出生児の男女比は女児100人に対して男児105人というのが一般的だが、ベトナムでは女児100人に対して男児が110.6人になっている。

 

中国やインドでも同様の現象はみられたが、ベトナムよりも長期間かけて現れたという。社会・経済的、人口統計的にベトナムと似ている近隣国のカンボジア、タイ、インドネシアではここ数十年で男児出生率の急激な増加は起きていない。

 

国連人口基金の報告書は、ベトナムでは女の子を妊娠したことが分かれば中絶する傾向があることを主な原因として挙げている。ベトナムは2003年に胎児の性別による中絶を禁止したが、この慣行は完全には無くなっていないという。

 

そして今、徐々に男女比がいびつになっているのがベトナムだ。伝統的な父系社会が根強い北部を中心に、男児選択が起きている。政府によると、2000年の出生時点の男女比は106.2対100だったが、15年には112.8に上昇。今後アンバランス世代が婚期を迎える。現地メディアでは「周辺国からの『花嫁の輸入』につながる」という政府幹部のコメントも報じられている。

 

アルメニア

アルメニアは世界で3番目に中絶率が高い国である。出生率が低下し、この状況は続いている。2010年のアルメニアのデータをみると、男女比の不均衡であることがわかる。100人の女の子に対し、男の子は115~120人だった。